拡大鏡による精密な治療
当院では、歯の健康な部分を削らないように拡大鏡を用いて精密な治療を行っています。
画像のように、裸眼と拡大鏡下での見え方には大きな違いがあります。院長は症例に合わせて裸眼、3.5倍、6倍の3通りの方法で治療を行っています。
画像(上図)の裸眼と拡大鏡
虫歯の範囲だけ削る
残念ながら現在多くの歯科医師が虫歯を削る際に「勘」や「経験」などあやふやな基準で削っています。いくらキャリアのある歯科医師でも健全な歯と虫歯の部位を完璧に見分けることは不可能です。
当院では「う蝕検知液」という虫歯の部分が赤く染まる液体で確認しながら削っていますので、虫歯の取り残し、削り過ぎなどないように努めています。
また、神経に近い虫歯は機械だと削り過ぎてしまうので、手用の道具で削っていきます。
VPT(歯髄温存療法)
VPTとは
⾍⻭が深く神経が露出してしまうと一般的には「神経を抜く治療」を行います。神経を抜くと歯の寿命が短くなります。木が枯れ木になって折れやすくなるように歯も弱くなってしまいます。
ですが、もう一つ治療方法があります。
それは、神経の感染がある部分のみ取り除き、健康な神経を特殊なセメントで保護し「神経を残す治療法」があります。この治療は大変繊細かつ精密な治療で、設備と器具がそろっていないと難しい治療であり、行っている医院は多くありません。
当院では1本でも歯を長く残していただきたいので、VPT(歯髄温存療法)という治療を行っております。
VPT(歯髄温存療法) - 神経を残すための最後の治療方法
VPT(歯髄温存療法)とは、むし歯と感染している神経の一部を完全に取り除き、露出した神経に対して保護するセメントをつめて神経を残す治療です。神経を残すことは、歯の寿命を延ばすことにつながります。
VPTは「神経を残すための最後の治療方法」であり、成功率は80%以上との統計も出ております。
VPT終了後、痛みが出なければ、詰め物やかぶせものをつけていきます。
虫歯の大きさによっては2~3週間の経過観察を行うこともあります。万が一、痛みが引かなければ「神経をとる治療」が必要となります。
VPT(歯髄温存療法)に使用する道具
マイクロスコープ
ラバーダム防湿
超音波スケーラー
MTAセメント=神経保護剤
MTAセメントの特徴
① 生体親和性が高い
細胞などの組織と接触しても異物反応を起こしにくい硬組織をつくる作用があります。
② 優れた封鎖性
膨張しながら硬化するため緊密に空間を封鎖す。
= 細菌が感染しにくい。
③ 殺菌作用
pH12.5の強アルカリ性。
= 細菌を死滅させることができます。
歯の生命力が足りない場合
VPTを行っても歯の生命力が足りないと、細菌に負けてしまい予後が悪くなってしまう場合があります。
その際は、後から神経の治療が必要になる場合があります。
神経の治療の成功率
被せ物の種類によって、成功率が大きく変わります。
神経を守ることは、歯を残すこと、ひいては健康寿命を延ばすことにつながります。
一つ一つの治療の積み重ねが、将来を大きく左右しかねませんので慎重に治療方法をご検討してください。
被せ物の違いで成功率に約50%もの差が出る
神経の治療の精度 | 被せ物の精度 | 神経の治療の成功率 | |
---|---|---|---|
Case1 | ○ 高い精密度 |
○ 自費(精密)の被せ物 |
91.4% |
Case2 | △ 中度の精密度 |
○ 自費の被せ物 |
67.6% |
Case3 | ○ 高い精密度 |
× 保険の被せ物 |
44.1% |
Case4 | × 低い精密度 |
× 保険の被せ物 |
18.1% |
そもそも虫歯にならないようにする
当院は予防に力をいれていて、「虫歯になったから歯医者で治す」ではなく「歯医者に行って虫歯にならないようにする」という考えのもと、診療を行っています。
定期健診でリスクを管理していき、お口の健康を守っていきましょう。